現在、京都「kojin kyoto」で開催中の「京都 花政 藤田 修作 展 花を 花と見て 花と見ず」にて、弊社代表/クリエイティブ・ディレクターの近衞忠大が会場構成を担当いたしました。
京都鴨川沿いのアートギャラリーkojin kyotoのオーナー手塚清さんは、ギャラリーに届いた花に心を掴まれ、そのお花を生けた藤田修作さんにお会いしたくなったそうです。そして何度か藤田さんとお酒を飲み交わすうちに、藤田さんの人生を深く知りたくなり、本展を開催する運びとなりました。
1階展示スペース 写真:Mikoto Yamagami
藤田修作さんは、文久元年(1861年)創業の老舗「花政」の五代目店主。いわゆるお花屋さんのご主人ですが、京都のお花屋さんはお寺や神社、料理店などのお花を生けることを頼まれたりします。華道の流儀に属するわけではなく、でも誰でも知っているような場所のお花を手掛けていて、多くの人に愛されているのが修作さんのお花です。
本展覧会に際して近衞が会場構成に使用したのは古材。修作さんのお花の舞台として悩みに悩んでいる時に、滋賀県の島村葭商店との出会いがありました。大きな蔵に所狭しと並んだ古材の中には100年以上も前のものばかり。その美しさに圧倒されつつ、四代目の島村義典さんとも意気投合。古材にインスピレーションをもらって一気にプランが完成しました。
船に使われていた船板をアクリルパイプと3Dプリンターで作った台で固定(猫と犬の置物は藤田さんのいたずら)
2階に上がると、藍染作家・福本潮子さんの美しい和紙と藍の灰汁とアクリル絵の具で描いた作品が目に飛び込んできます。福本さんの作品下に置いてある木製ベンチも実は百年以上を経過したものです。
左側の壁に福本潮子さんの藍染作品、右側の壁に霞棚インスタレーション
2階奥には、京都・修学院離宮の霞棚から着想を得て近衞が制作した違い棚。様々な古民家に使われていた違い棚を組み合わせて作られています。違い棚の端には「筆返し」という飾りがついている事が多いのですが、見つけた棚板は片側にしか筆返しがないものばかり。そこで3Dプリンターで型を取り、レジンを使って半透明の現代風筆返しをつくってみました。壁面には和歌の代わりに修作さんの言葉が書かれた唐紙をあしらい、修作さんワールドを表現しています。
お花と言葉と私物で壁一面に広がる藤田ワールド
この筆返しは3Dプリンターで型を作ってレジンで制作
お花に因んだ藤田さん好みの美術品
右側のベンチに腰掛ければ、鴨川を借景に藤田さんの花屏風を愛でることができる
今回の展覧会で近衞が心掛けたのは、藤田修作さんのお人柄を伝える展示構成です。
この機会にぜひ会場に足をお運び頂き、藤田修作さんを感じて頂ければ幸いです。
展覧会概要
タイトル:「京都 花政 藤田 修作 展 花を 花と見て 花と見ず」
会期:2024年9月13日(金)~2024年10月8日(火)
休館日:9月17日(火)、9月24日(火)、9月30日(月)
会場:kōjin kyoto
開館時間:11:00 ~ 19:00(展示室入場は閉館の30分前まで)
観覧料:無料
主催:手塚 清 (kojin kyoto)
会場構成:近衞 忠大(curioswitch)
文:白洲 信哉 (文筆家)
作品参加:福本 潮子 (美術家)
資料提供:雑誌『目の眼』
写真:竹前 朗・酒井 洋輔
協力:池田 麻貴・花政・Bar文久
コーディネーション:井田 順子
Special Thanks to:
河北 洋一 (CROSSING INTERNATIONAL株式会社代表取締役社長)
武藤 順九 (彫刻家・画家)
松本 理 (骨董店 大吉 店主)
永松 仁美 (ギャラリー昴 店主)
駒井 幹士 (NHKチーフプロデューサー)
kojin kyoto公式サイト
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