2022年11月12日・13日の2日間、小笠原流による礼法と弓術を4歳から体験できる特別講座「SHINAGAWA 武士の学校」を開催いたしました。
SHINAGAWA 武士の学校について
curioswitchが主催する「SHINAGAWA 武士の学校」は、品川区・品川文化振興事業団・天王洲キャナルサイド活性化協会のご講演とNPO法人七五のご協力を賜り、「天王洲キャナルフェス2022秋冬」の一環として行われた文化事業です。
第1回目となる今回は、鎌倉時代より武士の礼法と弓馬術を一子相伝で継承する小笠原流の31代目御宗家御嫡男、小笠原清基さんと御一門に先生をお願いしました。
会場の「アイルしながわ」は、は今秋リニューアル・リオープンしたばかりのユニークベニューです。
SHINAGAWA 武士の学校 開催の様子
SHINAGAWA 武士の学校の授業は1コマ90分。
小笠原流についての講義、先生方の弓術実技、畳の上で礼法の実践(弓術の基本となる礼法の体験学習)、弓術の練習、弓術の本番という流れで展開。
さらに、惜しくも参加が叶わなかった方やご興味のある方、ご体験者のご家族などにも見ていただけるよう、オンラインにてYouTubeライブ配信しました。
生徒の皆さんは、初めに道着へお着替え。武士気分を高めていただいた上で、小笠原清基先生から小笠原流の歴史について学びます。
武家として代々鎌倉幕府から徳川時代まで弓馬術礼法の師範を務め、明治維新後も伝統的な小笠原の流儀を守り抜き、学校礼法の普及にも力を注いできた小笠原家の歴史、そして小笠原家が教えてきた武家の授業科目、礼法・弓術・弓馬術について、小笠原清基先生より、イラストや映像を交えてわかりやすく解説いただきました。
【弓術デモンストレーション】
続いて、小笠原流一門の皆さまによる、弓術の披露です。体育館半分ほどの距離にある的に向かって勢いよく正確に放たれる矢に、体験者の皆さんも驚かれていました。
【礼法の実践】
弓術のお見本を目に焼き付けたら、弓術の基本となる礼法の体験学習です。弓術で求められる身体的な動きを、先生を真似しながら覚えていきます。
真剣な眼差しから、熱中ぶりが伝わってきて、嬉しい限りです。
【弓術の練習 弓矢を射ってみよう】
礼法を学んだら、次は弓術の練習です。小笠原流一門の方に丁寧に弓の弾き方を教わりながら、繰り返し繰り返し、的に当てる練習をしていただきました。
大人の皆さんの気迫も凄まじく、繰り返し、弓を弾く指導を受けます。
【弓術本番 挑戦!鹿の的に当ててみよう】
そしていよいよ本番。小笠原家の紋幕に囲まれた厳粛な空間で、鹿の的に挑みます。
弾ける矢はわずか2本。
因みにこちらの鹿さん。草鹿式(くさじししき)という儀式に使われる由緒正しき的で、1194年5月将軍源頼朝が富士の裾野で巻き狩りを催した際、家人がしばしば獲物を射損じることがあり、古老の武士に尋ね射術の稽古の方法として草を束ねて鹿の形を作り、距離を定めて稽古をしたことが、草鹿式の始まりなのだそうです。
子供も大人も、鎌倉武士の真髄に迫るべく、真剣な眼差しで的に向かいます。
鹿に矢が当たると、会場からは拍手があがりました。当たった方も、外れた方も貴重な体験を十分に堪能して頂けたようです。
【講評】
最後は、小笠原先生からの締めのお言葉をいただきました。
「弓は自分自身を表す鏡である。」
弓を引くことは非日常かもしれないけれど、日頃の礼儀やマナーが矢にも反映されるとのことです。日々の鍛練なくして本番での成果は得られないということは、伝統文化に限らず、勉学でも、スポーツでも、仕事でも同じテーマだと感じた参加者は多かったのではないかと思います。
プログラムが終わると鹿の的や小笠原家紋幕と、思い思いに記念撮影をしていただき、お着替えをして解散。
4歳以上のお子さんも参加できる体験プログラムということで、親子参加の方々から特に喜んでいただけたようです。
「キャナルフェス2022 秋冬」の様子
今回「SHINAGAWA 武士の学校」を開催した会場、アイルしながわ周辺では、「天王洲キャナルフェス2022秋冬」が同時開催しておりました。
食、アート、スポーツ、文化と様々なジャンルのコンテンツが集まり、天王洲では子どもから大人まで多くの人で賑わっていました。
おわりに
2日間で合計90名以上のお客様に会場にご来場頂き、オンラインでも130名以上の方々にご参加いただきました。
また、ご参加の皆さまが多数のアンケートにご協力くださり、継続に向けた貴重なご意見・ご感想をいただくこともできました。
次回「武士の学校」の開催を、楽しみにお待ちいただければ幸いです!
末筆となりますが、ご来場頂いた皆さま、小笠原清基先生をはじめとする小笠原流一門の皆さま、「アイルしながわ」を快くお貸し出し下さった品川区 文化スポーツ振興部と一般社団法人 天王洲・キャナルサイド活性化協会の皆さま、ご後援いただいた品川区と公益財団法人 品川文化振興事業団の皆さま 、ご協力いただいたNPO 法人七五の皆さま、そして、各プログラムを支えて頂きました全ての関係者に、この場を借りて、心より御礼申し上げます。
SHINAGAWA 武士の学校
主催 : 株式会社curioswitch
協力 : NPO 法人七五
後援 : 品川区
公益財団法人 品川文化振興事業団
一般社団法人 天王洲・キャナルサイド活性化協会
各種SNS:
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